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【相続事例・不動産名義変更】相続人のうちのひとりが認知症であったケース

お父様がお亡くなりになり、お父様のマンションの名義をお母様に変更をしたいというご相談でした。
早速親族関係を確認したところ、相続人はお亡くなりになったお父様の妻(お母様)と
娘であるHさんの2人のみであることが分かりました。
ところがお母様は数年前から認知症を発症しているのですが、どうしたらいいですか?という
ことでした。

相続の方法には、一般的なものとして
①遺言書に基づく場合
②法定相続分による場合
③相続人間の遺産分割協議による場合
が考えられます。

①②の場合には、遺言書どおりに、または、法律できめられた割合どおりに名義変更することができるのですが、
③の遺産分割協議による場合には、協議をする相続人に話し合いの内容を理解することが必要です。
しかし、本件のように相続人の中に認知症を発症している方がいますと遺産分割協議をすることができません。

今回は遺言書もなく、法定相続分にもよらず、お母様1名で相続させてあげたいという
娘さんのご要望がありました。このため、何とかして③の遺産分割協議をしなければなりません。

そのため、お母様の為に横浜家庭裁判所に申立をして、成年後見人を選任してもらうことにしました。
成年後見人とは、本人(被後見人といいます)のためにさまざまな行為を代理することができる
後見人を家庭裁判所に選任してもらうことができるという制度です。
このケースでは、普段から介護や生活の面倒をみているHさん自身を家庭裁判所から成年後見人に
選任してもらいました。尚、一旦成年後見人に選任されると原則的には辞任等がなければ被後見人がお亡くなりに
なるまでずっと後見人として後見人としての職務を続けていくことになります。

ただし、ここが少し法律のややこしいところなのですが、遺産分割協議という話し合いをするにあたって、
相続人の1人であるHさんが、お母様の成年後見人としてのHさんと協議をするということになってしまいます。
これでは【利益相反】といって、公正な話し合いができるとみなすことができません。
そのため、この遺産分割協議についてのみ家庭裁判所から別に『特別代理人』を選任してもらい、
Hさんと特別代理人との間で遺産分割協議を執り行いました。
このケースでは弊所司法書士が『特別代理人』に就任しております。

以上のような経緯により、晴れて相続財産であるマンションをお母様名義に変更することができました。